完全なるワン・サイド・ゲーム~Back to Iraq(CMJ)

今月のソロプレイ第3弾は、「ATTACK SUB」に触発されて、旧未来戦ジャンルから、「Back to Iraq」(CMJ)です。これも優先ジャンルではないんですが、しばらくこのジャンルが停滞していたので、広域前進計画の一環として、プレイしてみました。本当は、ユニットを整理していたら、急にやりたくなったんです・・・(笑い)。

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ほとんどネット上でも記録がないアイテムなので、簡単な紹介から。

まず、参加兵力ですが、攻撃側の多国籍軍は、アメリカを中心に、イギリス・フランス・NATOを加えた8カ国(勢力)がいます。邦訳の「第二次湾岸戦争」のとおり、アメリカが西欧圏の主要国を、参戦させることに成功しています。ただし、わずかに7個師団のみ(守備的な色合いの強いクエート諸兵科軍団を入れても、8ユニット)。対するイラク軍は、30を越える師団を持っており、これでゲームになるのかと心配されましたが・・・兵力差など一瞬で吹き飛ばす、強烈な特典ルールが、多国籍軍に用意されていました。

まず、多国籍軍による航空優勢で、晴天時にイラク軍は1d6×1/2(端数切り上げ)の移動力を失います。平均的な減少移動力は-2ですので、イラク軍の1/3を占める非機械化部隊(2移動力)は、ほぼ移動不可能です。

さらに、多国籍軍のみがZOCを持ち、敵ZOC内で移動を開始したイラク軍は、離脱ができない(!)という、強力な縛りがあります。逆に、イラン軍にはZOCがないので、多国籍軍はまさにフリーパス。多国籍軍の移動を阻害できるのは、障害地形くらいでしょう。

この障害地形を完全に無視できるのが、選択ルールの第101空中強襲師団です。ヘリボーンを主体とする同部隊は、どのヘクスでも1移動力で進入でき、かつ、常に補給下(!)にあります。

ただし、オーヴァーランはないので、困難地形沿いにユニットをばらまけば、足止めできるかと思いきや、アメリカ軍重装備師団というワイルドカードがあります。この重装備師団は13戦力も持っている上に、なんと、敵のターンに任意で行動ができるという「暴虐」ぶり!これにより、重層的な敵戦線の突破も可能になります。

次に戦闘ですが、1個師団あたりの戦力では、通常のイラク軍師団の2~3戦力に対し、多国籍軍は6~9戦力と3倍以上の開きがあります。補給判定を戦闘直前に行うため、大都市以外のイラク軍はほとんどが補給切れ(戦闘力×1/2)で戦闘を行うことになり、その差は6倍以上になることも・・・。地形効果は厳しいですが(最大の都市は3シフト)、CRTは1:2でほぼイーブンと攻撃側に有利です。

多国籍軍の唯一の弱点と言えば、補給・整備のための「再構成」が、3ターンに一度に必要なことでしょうか。「再構成」を行うと、基本的に移動・戦闘ができなくなります。強制的な「再構成」(drで1/3に確率)ではZOCも失うので、多国籍軍は計画的な「休息」が必要になります。全15ターンのうち、10ターン程度が多国籍軍の使える「時間」になります。

これらを考慮して、多国籍軍が攻勢を取ると・・・
(1)イラク軍ターンに、重装備師団が突進または迎撃して、突破口を作り、
(2)第101空中強襲師団がイラク軍補給路の後方に降下し、補給路を遮断
(3)主攻勢部隊がZOCのない敵ユニット間をすり抜け、包囲攻撃
という、「イラク戦争」でも見られた、一方的な展開となります。

物は試しと、基本ルールでプレイしてみましたが・・・完全な「ソロ」アイテムでした。やりたい放題の多国籍軍に対し、イラク軍はまともな機動さえできずに、各個撃破。せめてもと、都市にスタックして防戦を試みますが、兵力の集中と包囲攻撃で、2都市が陥落。勝利条件のMIPP(イスラムの威信ポイント)を上げようにも、イラク軍の膠着したシークエンス(戦闘-移動!)のため、まともな反撃もできず、瓦解。これじゃ、ソロでも厳しいぞ~!(笑い)

××ゲームか、とあきらめかけて、選択ルールを見たところ、イラク軍の「BC兵器」を発見!おお、これなら、まだ、戦えるかも?!

12.4 生物化学兵器
「1ターンにつき1回、攻撃時でも防御時でも、イラク側は1つの戦闘でBC兵器の使用を宣言できる。BC兵器を使用した戦闘では、多国籍軍ユニットの戦闘力が半減(端数切り上げ)する。」

このルールには、報復(BC兵器か戦術核兵器!)もありますが、使用時期がターン終了時までということと、多国籍軍は(人道的見地から)町・都市には使用できないので、イラク軍に有利になっています。

これを核にして、防衛体制を組むと・・・
(1)勝利条件となる都市に、フルスタックをして防御力を高める。多国籍軍の攻撃時にはBC兵器を使用して、徹底抗戦をする(多国籍軍が全力を投入しても、1:1がやっと)。
(2)1:1が立つなら、反撃をしてMIPPを稼ぐ。イラク軍は攻撃をして生き残れば(!)、MIPPを得る。
(3)補給路となる道路上の町に、部隊をばらまき、バグダッドへの展開を遅らせる。

これを使って、フルオプションでのARRを行きます。開戦時期は乾期で、トルコが領内通過を認めています(サウディアラビアは展開を拒否!)。

このことから、イラク軍は以下の配置としました。
・バスラ及びモスルに最強スタック(攻撃力9-防御力8)を配置し、徹底抗戦。前面には3個部隊を捨て駒で配置し、第1ターンに両都市が攻撃を受けにくいようにする。
・防御力の機械化スタックで、バグダットに籠城。
・残りのユニットを、南部からの敵の予想進撃路に、足止め配置。

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第1ターンは、特別ルールにつき、多国籍軍ターンのみを行います。イラク軍の配置が南側を重視していると見た多国籍軍は、敵の裏をかく北方配置にします。主力軍をトルコ領内に置き、モスルからバグダットを狙う作戦です。南方には、防御のためのクウェート軍団を配置して、イラク軍のクウェート侵攻を牽制します。

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空爆と同時に、国境線を越えた多国籍軍は、一路、モスルに向けて突進します。一部の部隊は空中補給を受けながら、山岳地帯を前進します。このターンにモスルを攻撃することはリスクが高すぎるので、周辺に展開する足止め部隊を包囲殲滅します。一方、南部では、クウェート軍団がバスラに取り付き、機械化部隊を拘束します。

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第2ターン、天候は晴れ(以後、終了まで晴天が続く)。イラク軍は、まず、モスルに隣接するクウェート軍団に対し、攻撃をかけます。戦闘比はよくても1:1なので、撃破はできませんが、戦闘に生き残ることによって、MIPP(イスラムの威信ポイント、機会ごとに1d6×1/2ポイントを獲得)を狙います。結果は、期待通りのAS(効果なし)で、最大の3ポイントを獲得します。

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残りのユニットは、バグダッド周辺での足止めができるように、可能な限り、北上をします。交通妨害も-1移動力だったため、機械化部隊が、多少なりとも北進します。また、1個機械化大隊をクウェート領に投入して、クウェート軍団の補給を遮断します。

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続く、多国籍軍ターンに、いよいよ、北部の要衝モスルの攻防戦が始まります。四方からの包囲攻撃を実施しますが、当然のごとく、イラン軍は化学兵器を使用!地形効果も相まって、戦闘比は1:2に。「6」が出れば、AEとなってゲームオーバーでしたが、とりあえず、ASで凌ぎます。これで、イラン軍は最後の切り札を使ってしまい、続く、第二次攻撃は5:1となり、モスル陥落!が、化学兵器の混乱で、時間がかかったため(攻撃2回)、3つのMIPPを献上し、合計で8ポイントにまで達します。

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第3ターン、多国籍軍に補給不足が発生(定期的な再構成)。モスルも落ちたことだし、無理せずに自発的な再構成に入ります。

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敵が動かないため、イラク軍にとってはチャンスと、まず、クウェート軍団に反復攻撃をかけます。敵が補給切れのため、2:1攻撃が可能でしたが、ここで多国籍軍が空中補給を実施し、戦闘比を1:1に戻します。結果はASで、またも3MIPPを獲得します。イラク軍のdrがよく、国際世論にうまく訴えています。

残りの部隊も、とにかく北上させようとしましたが、このターンの交通妨害は-3と最大値となり、イラク軍はほとんど動けず。

第4ターン、しつこいイラク軍は、お決まりのクウェート軍団攻撃で、2MIPPをゲット。交通妨害が軽め(-1)だったので、北部の道路上に捨て駒をばらまいて、時間稼ぎを試みます。が、終了直前になって、アメリカ軍重装備師団が反応行動!サマラ近郊で道路を遮断していたイラク軍機甲師団を、背後に回り込んで殲滅します。

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これで、ルートが開けた多国籍軍は高機動力に物を言わせて、一気にバグダット近郊に到達します。このターンの強襲は無理なため、後顧の憂いを立つべく、周辺の展開部隊を包囲殲滅します。この戦闘で、最大戦力の機械化軍団がBC兵器効果もあって、EXをもぎ取り、NATO派遣師団が損害を受けます。多国籍軍にとって、最初の(最後の)ステップロスとなります(よりによって、3MIPPを献上)。

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第5ターン、イラク軍は、MIPPの献上を嫌って、離脱したクウェート軍団を追いかけ、第一次湾岸戦争以来のクウェート進駐になります。クウェート軍は、町に籠もって、抗戦します。

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一方の多国籍軍主力は、バグダットの攻撃もできたのですが、化学兵器による低オッズを嫌い、敵の包囲拘束のみに止めます。

第6ターン、またも多国籍軍に補給不足。バグダット包囲網は完璧なため、ここで再構成を済ませることに(が、後にこの遅れが致命的になるとは、露とも思わず・・・)。

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当然、イラク軍は、バグダットが落ちる前に、少しでもMIPPを稼ぐべく、クウェート軍団を強襲。1:2でAEの可能性もありましたが、根性で切り抜け、AS。「多国籍軍相手に善戦中」という情報が、恐ろしいくらい広がり、またも3MIPPをゲット。これで、気がつくと、総MIPPは19にまで達しています。いかん、早く、決着を付けなければ!

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勝負の第7ターン、2度目のクウェート軍団強襲でMIPPを得たイラク軍に対し、補給万端となった多国籍軍が、猛攻を加えます。目標は、バグダット東岸地域!航空爆弾とBC兵器が降り注ぐ中、イラク守備隊の粘り強い抵抗を粉砕して、ついにバグダットの半分を確保します。これで、勝利条件の2都市を確保したので、あとは、MIPPを抑えればよかったのですが・・・ああ、2回の都市攻撃により、3つのMIPPとなり、総MIPPはギリギリの30点に達してしまいました。

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あと、1度でもMIPPを与えれば、多国籍軍の敗北です。が、多国籍軍は補給を分断できるところまで来ているので、あと半ターンを凌げば、勝利だったのですが・・・「暴虐」な多国籍軍に引導を渡したのは、クウェート領内に侵攻したイラク軍精鋭部隊でした。AEの危険を顧みず、動揺するクウェート軍団を攻撃!これが見事、ASとなって、MIPP1点を獲得!この瞬間に国際世論を味方に付けたイラク軍が、戦略的勝利を収めました。

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う~ん、ゲーム展開的には、多国籍軍の「電撃戦」だったわけですが、世論を敵に回して負けてしまいました。トルコが使えるということで、北に主力を回したため、南部が薄くなり、MIPPを献上してしまったのが、敗因でした。まあ、イラク側の「情報操作」が凄すぎた上に、多国籍軍側は、国際世論を気にしすぎて、BC兵器の報復を控えたのが仇になった感はありますが・・・。

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それでも、後、半ターンがあれば、勝利できたはずでした。とほほほ、素直に南方配置にすればよかったです。

いずれにしろ、展開は、完全なるワン・サイド・ゲームですので、ソロで救済できたと、締めくくります。

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この記事へのコメント

TORO
2011年02月25日 22:32
こんばんわ。

>物は試しと、基本ルールでプレイしてみましたが・・・完全な「ソロ」アイテムでした

おおっ…、拙者向きのタイトルだということですね!!!w
mitsu
2011年02月26日 23:37
TOROさんなら、楽しんでいただけるかも・・・ただし、BC兵器を入れないと、全く競い合う要素がないので、はじめから選択ルールの使用をお薦めします。

ちなみに、イラン軍は・・・OKになっても、参戦させない方が無難なようです(多国籍軍の勝利条件が緩和されるので)。

Trooperブログでのアップされる日を楽しみにしています。

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