どこか懐かしい、蒸気の世界~「蒸気幻想曲馬団」(RPGamer)

今月、最初のソロプレイは、F級マルチから「蒸気幻想曲馬団」(RPGamer)です。付録付きRPG雑誌「RPGamer」に載ったオリジナルのマルチゲームで、19世紀後半のヨーロッパを舞台にした事件解決型のアイテムです。プレイヤーは、個性溢れるキャラを操り、スチームパンクに満ちた半空想社会で、様々な事件を解決していきます。4つの事件を解決し(または他から褒賞を手に入れ)、はじめに移動劇団「ねじまき座」にたどり着いたものが、勝利します。そう、おかしな「ねじまき座」で、事件を元にした劇を上演してもらうのです。

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手順は至ってシンプル。プレイヤーは、自分の番が来ると、1d6して、その数値分を自由に移動します。そこに、自分の運命チットがあれば、山札から新事件を引くことができます。様々な事件や褒賞、キャラの特徴などは、全てトランプのマーク(スート)で表されます。各キャラには、得意なスートがあり、それを駆使して、ランダムで引かれる事件カードを解決していきます。例外は「ねじまき座」で、ここに止まったキャラは、未解決の事件を再び解決するチャンスに遭遇します。

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「運命」も「ねじまき座」も、一度、使用するとランダムセレクションで散るので、プレイヤーは、それらを追いかけ、マップ上を東に西にと、駆け回ります。うまく事件を解決し(M)褒賞を手に入れると、特殊カードが手に入る秘境へ移動することもできます。

また、他のキャラと同じエリアにいると、対決をすることができます。好きなスートをビッテングし、成功すれば、他人から褒賞を奪ったり、解決制限のある<呪>褒賞を押しつけたりすることもできます

なんとていっても雰囲気を盛り上げるのは、カードに書かれた「台詞」です。事件解決には全く関係しないんですが、これがいい味を出しているんです。例えば・・・

-<ねじまき座>-
 <ねじまき座>は、蒸気仕掛けの巨大な車輌「移動劇場」で、ヨーロッパ各地を旅している劇団の一座である。その構成員も国籍もさまざま。「わけあり」の人間も多い。<ねじまき座>の行く先々には、なぜか、つねに事件や騒動が起こる・・・。

-キャラ「プラウダ」-
 ロシアの女性革命家。彼女の「活動」のための、隠れ家や密輸送、工作員との連絡などに、彼女は<ねじまき座>をしばしば利用している。さまざまな国籍の者が混在し国境線にとらわれずに旅しているこの一座に対しては、ある種の親近感をもっているようで、彼女なりの敬意と友情を持って接している。口癖は「恩に着る。革命の暁には、必ず、貴方に報いよう」。

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-トゥモロウ-
 明日という名の少女。ある日、トランク一つで<ねじまき座>の扉を叩き「働かせてください」と言ってきたのが、彼女である。かくして、彼女は一座の舞台に立つことになった。団長の目論見は外れ、歌と踊りはまったく上手にならなかったが、「人を幸せにする力」だけは磨きがかかっていった。どうしようもなくヘタな歌と踊りが、なぜか人々に幸福と限りない希望を与えるのだ。

-事件「月旅行志願」-
 月に巨大な砲弾を撃ち込もうとしている計画に興味を示したあなたは、それを有人砲弾にして搭乗することを申し出るのだった。褒賞「巨大砲弾(M)」

-事件「王家の墓<呪い>」-
古代の墓所を発見したあなたは、輝く埋葬品を得たが、同時に恐ろしい呪いが降りかかってくる危険があった・・・。<呪>褒賞「ファラオの呪い」

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ほら、どこか懐かしい、昔ながらの<夢>世界じゃないですか?ルールにないからこそ、フルに想像力が発揮できる、シンプルな設定が生きています。

今回は、デモプレイということで、キャラ6人の中から、ランダムで3人を決めました。
1番手…ミス・タブロイド「あやしい事件の匂いがするわ」
2番手…怪盗ノアール「あなたの心でも盗んでみせますよ。フフフ」
3番手…スミス博士「見たまえ。世紀の大発明じゃ!」

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ランダム配置で、ミスは北海から、ノアールはリヨンから、博士はパレルモから、スタート。ねじまき座は、ベルリンです。

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3人の旅は、のっけから波瀾万丈の展開になります。第1ターンに、怪盗ノアールがミュンヘンに移動し、運命を引き当てます。起こった事件は、いきなり、<呪>「王家の墓」!

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さらに、第2ターンには、ミス・タブロイドがパリで事件に遭遇!こちらも、2枚連続で<呪>「狼男に襲われる!」。たった4枚しかない、ペナルティカードなのに、勘弁して~!

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と、絶体絶命のピンチでしたが、なんと2人とも1/6の確率をこじ開け、回避に成功します。いいのか、悪いのか、考えられないような序盤戦です。

その後、各プレイヤーは、各地の運命に向かい、褒賞の獲得をめざしますが、スミス博士がなぜか1/2の「女王陛下の依頼」を破れなかったり、怪盗ノアールが同じ事件を、ねじまき座で狙ったり、はたまた、ミス・タブロイドがマドリッドで新事件に立ち向かうも、いずれも高い確率にも関わらず、失敗・・・「あの奇跡の<呪>除けは、なんだったの?」

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四苦八苦のキャラがはじめて褒賞を手に入れたのは、第6ターンでした。足の速い怪盗ノアールが、ねじまき座で未確認事件だった「月旅行志願」を解決!秘境への移動も可能な褒賞「巨大砲弾」を手に入れます。

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このまま、波に乗れるかと、思った矢先、またもや、不運の嵐がキャラを襲います。第9ターンから4ターンに渡り、3人がローマで、パレルモで、あるいはバルセロナで、事件に飛びつくも、ことごとく失敗。決して、率が悪いわけではないんですが、総じてdrが高すぎるんです。ミス・タブロイドは、正規の事件解決に5回連続で失敗(!)。スミス博士に至っては、いまだ、1枚も褒賞なし・・・。

運命を追いかけ、東に西にへとへとの3人が、新たな褒賞を獲得したのは、やはりねじまき座でした。さいはてのモスクワで興業中のねじまき座に、第13ターンに追いついたミス・タブロイドが、ついに「オークション」をゲット!すると、同じターンに怪盗ノアールがブダペシュトで、初の正規事件なる「火星人襲来!」を解決。

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-事件「火星人襲来!」-
火星から飛来したと思われる侵略者たちは、巨大な「蜘蛛とカメラの三脚のあいのこ」のような機械で、街や人々を襲い始めた!人類の危機を救え!褒賞「火星人の戦闘機械」

これで、3人の持ちカードは、ミス1枚:ノアール2枚:スミス0枚になります。

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ノアールが2枚の褒賞を得たことで、ねじまき座と同じ効果を持つ「トゥモロウ」が、モスクワに現れます。おお、ここにはミス・タブロイドが居残っており、そのまま、トゥモロウに働きかけて、第14ターンに2枚の褒賞「美食の宴」をゲット!

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こうなると、流れはキャラに行きます。第17ターン、あれほど、不運だったスミス博士も、マドリッドのねじまき座で「切り裂きジャック現る」を解決!

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-事件「切り裂きジャック現る」-
正体不明の謎の殺人鬼は、その都市の夜を恐怖の底に突き落としていた。はたして、その犯行を阻止できるか?褒賞「美しい恋人」

さらに、第18ターン、トップの怪盗ノアールが、ロンドンで3枚目の「密室殺人事件」を解決します。これにより、やはりねじまき座と同じ効果を持つ大女優「トルソー」が、コンスタンティノープルに現れます。ああ、やっぱり、最果てだ~(笑い)。

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一気に勝負に出たのが、怪盗ノアールでした。第19ターンに、唯一、所有する褒賞「巨大砲弾」を使って、秘境へのランダム探検に出ます。たどり着いた先は、あまりに深い「地底の王国」!ここで、褒賞のパイルと引き替えに、特殊カード「悪魔の発明」を手に入れます。

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そのまま、地上に向いますが、ここでもハイロールの悪夢が発生!脱出には、1~4を出せばいいのですが、なぜか、確率を無視した5と6ばかり。「いかん、地上に戻れん!」疲れ切った怪盗が這々の体で、ナントの地下墓場から地表に戻ったのは、4ターンも後でした(笑い)。

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この間に、地上でせっせと働いたのが、フットワークの良いミス・タブロイドでした。第23ターンに、辺境のコンスタンティノープルに到着し、トルソーに働きかけて、「とらわれの姫君」を救出!これで、所有の褒賞は、3枚:2枚+特殊:1枚と、逆転します。

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追いつきたい怪盗ノアールでしたが、第26ターン、さらに悪夢が襲います。またも、<呪>「王家の墓」!が、ここは、根性の「6」でクリア!さすが、逃げ足の速い盗賊です。

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悪いことは続くもので、次は、スミス博士が<呪>「狼男に襲われる」に遭遇します。ここまで奇跡の魔除けdrで凌いできたキャラたちですが、さすがにこれはよけきれず、ライカンスロープの呪いを受けてしまいます。こうなると、トルソーとトゥモロゥが使用できなくなり、褒賞集めは至難の業になります。「ああ、最下位なのに~」

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この後、しばらく、drも低調になり、停滞期が続きましたが、勝利に向けて最後の1枚を獲得したのは、トップのミス・タブロイドでした。第31ターンに、マドリッドのトルソーを捕まえて「舞踏会」を開催!これが成功し、あとはねじまき座にたどりつくだけのはずでしたが・・・ああ、ここで、怪盗ノアールが、特殊カード「悪魔の発明」を使用!これで、ミス・タブロイドのリーチは消滅しました。

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-特殊カード「悪魔の発明」-
 誰かの持つ「褒賞」をひとつ奪い、山札に戻す。

ゲームも後半戦、もはや一刻の猶予もないと感じたスミス博士は、呪いのハンディキャップを押しつける作戦に出ます。キャラ同士の対決です。

第31ターン、運命の待つモスクワへひた走る怪盗ノアールを、スミス博士が東欧で迎撃!ウィーンでの遭遇戦は、両者ともスートを出すハイレベルな戦いで、引き分け。が、あきらめない博士は、第32ターンにミンスクで再び、ノアールを捕捉すると、今度は襲撃に成功! <呪>を怪盗に押しつけると、バルセロナへ飛ばしてしまいます。

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こうなると、しばらくは仁義なき戦いが続きます。不運を背負い込んだ怪盗ノアールは、あろうことか、今度はカレーにいたミス・タブロイドを襲撃!これが一度で成功し、<呪>は二転して、ミスへ。

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勝利を阻止されたばかりか、<呪>を受けたミス・タブロイドは、第35ターンに元凶となったスミス博士を襲います。が、これは、スミス博士が奇跡のdrで防御に成功!

勝ち馬に乗って絶好調のスミスは、逆襲でなんとミス・タブロイドから褒賞を奪い取ります。これで、獲得褒賞は、2枚+呪:2枚:3枚と大逆転です。事件解決であれほど苦しんでいたのが、嘘のよう。

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第36ターン、ミス・タブロイドは、懲りずにノアールを襲撃。が、見事に自爆して、あらぬ方向へ飛ばされます。襲撃を退けた怪盗ノアールは、予定通り、モスクワで「ひねくれ老伯爵の信頼」を得て、これでスミス博士と並びます。

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ツイているときは、幸せは向こうからやってくるようで、ミス・タブロイドがロンドンで取り逃がした「発掘調査」を、ノアールはねじまき座で成功させ、ついに勝利条件の4枚目をゲットします。あとは、遙かアフリカに飛んだねじまき座を追いかけるだけ!

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-事件「発掘調査」-
 古代の遺跡の発掘調査にあなたは同行する。はたして、そこで見つかったのは・・・。褒賞「古代の石版」

それぞれが勝利のチャンスを秘めたまま、混沌の終盤へ。3者は思惑を持ったまま、中央ヨーロッパに集結します。ミス・タブロイドは呪いの押しつけと褒賞の略奪を。怪盗ノアールは一路、アフリカへ。そして、スミス博士は、ノアールの妨害とあわよくば褒賞の獲得を。

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始めに仕掛けたのは、ミス・タブロイドでした。第39ターン、プラハに戻ったノアールを襲撃し、遂に成功!褒賞1枚を奪い取り、勝利条件を覆します。

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焦った怪盗ノアールは、ライバルのスミス博士を襲撃!再び、はじまる仁義なき戦いか?と思いきや、ノアールの神通力も限界で、ああ、自爆。あろことか、辺境の飛行島ラピュタに飛ばされます。

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ここで、「運命を変える力」を獲得しますが・・・またも、帰還チェックに失敗し続け、この貴重な終盤に、丸々、4ターンを失います。「ラピュタは本当にあったんだ!(でも、戻して~!)」

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この間に、地上では、ミスと博士の激しい戦いが繰り広げられます。第43ターンに、ミスがスミスに対決を挑みますが、失敗。と、反撃で、第44ターンに、スミスがローマで、ミスを打倒し、ついに4枚目の褒賞をゲット!

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第46ターン、やっと帰還した怪盗ノアールが、パレルモで奇跡のdrで「戦場」を制し、こちらも4枚目を手に入れます。

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どちらか早く、アフリカに着いた方が勝ち!が、ここで、先着したのは、呪いで怒り心頭のミス・タブロイドでした(笑い)。タブロイドは、二人をせせら笑うように、ねじまき座を移動させてしまいます。その行き先は・・・北海!船ですか?!

今度こそ、最後のレースです。4枚ずつの褒賞を持った怪盗ノアールとスミス博士は、必死にdrして、北上しましたが・・・。

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勝利を得たのは、ここでもハイロールを連発したスミス博士でした。ついに、ねじまき座に到着した博士は、団長のアドルフに宝を渡して、新しい戯曲を作り上げたのでした。

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-戯曲「誘拐事件」-
 「美しい恋人」が「伯爵令嬢」によって、さらわれてしまった。あなたは、「爵位」の力を借りて、「お城」から救い出したのだった。

さすが、RPG誌だけあって、雰囲気を盛り上げる小道具は、潤沢でした。YSGAの山内会長が一押しなのも、頷けます。慣れれば、約1時間ほどのお手軽マルチですので、ぜひ、対戦をしてみたいものです。

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この記事へのコメント

YSGA山内
2009年10月06日 22:19
 Mitsuさん、こんばんは。
 いつもながらの素晴らしいゲーム紹介&リプレイ記事、満喫いたしました。
写真も豊富で、逐一解説も入って、本当に分かり易く良い内容で、ネットならではの記事ですね。白黒ページの雑誌記事じゃ、こんなに綺麗に細かく紹介なんてできないですからね。
 この記事を読めば、チャラい見た目で馬鹿にされてプレイされるに至らない(RPGamer誌2号付)蒸気幻想曲馬団も、見直されるのではないかと思います。
 私としても、これが決して「イチオシ」のB級ゲームというわけではないのですが(プレイ率が低すぎるので、敢えて強調していた面もあり)、Mitsuさんにプレイしていただけて本当に嬉しいです。
 
 
mitsu
2009年10月06日 23:07
山内さん、先日は楽しい時間をありがとうございました。

お褒めの言葉に、うれしい限りです。頑張って、アップした甲斐がありました。このゲームは、絵面がとてもいいので、写真が生きるんです。

ご推薦の「蒸気幻想曲馬団」ですが、シンプルなルールの裏に、詳細でていねいな設定がさえていて、ファンタジーに対する深い愛情を感じられました。先日の猿遊会で、初対戦をする機会があり、わいわい言いながら、楽しんできました。

こういったゲームに対する愛情を、大切にしたいですね。

もし、ちはら会にご来訪の際は、ぜひ、お相手くださいませ。全カードをパウチして、お待ちしております(笑い)。

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