旧未来戦らしい、緻密で大胆な戦闘システム~「第三次世界大戦」(バンダイ)シナリオ1「緑地帯を越えて」

やれるときに、どんどん、プレイをしよう!ということで、今月のソロプレイ第二弾は、旧未来戦から「第三次世界大戦」(バンダイ)です。昨年に取りあげた「日本防衛戦」と同様に、バンダイSLGの後半に発表された2800円シリーズの一作です。「日本防衛戦」が予想以上にまともなSLGだったので(失礼!)、期待してプレイ準備をはじめました。

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今は、すっかり仮想戦と化した中央ヨーロッパでの軍事衝突を「シミュレート」したもので、NATO軍とワルシャワ条約機構軍(WP)の主力部隊が登場します。NATO軍が今はなき西ドイツ軍(!)と在欧米軍を中心に、オランダやベルギー軍、さらにはNATOではない(!)フランス軍が登場します。一方のWP軍も、強大なソ連軍をはじめ、地元の東ドイツ軍、精鋭チェコ軍・ポーランド軍、はてはハンガリー軍まで登場するオールスターぶりです。

マップは、西ドイツとフランスの一部を中心としたヨーロッパの中央部のみで、同テーマの「NATO」(VG)や「Third World War」(GDW)と比べても、戦闘地域を絞り込んでいます。

ルールは、練習ゲームとキャンペーンルール、上級キャンペーンルールに分かれていて、はじめは純粋な陸上戦力だけですが、後半になると航空優勢や砲爆撃、選択攻撃、電子戦、参戦国の政治状況、禁断の戦術核(!)まで登場します。はっきりいって、ヤフオクで落としたときには、これほどまともなSLGとは思っていませんでした(再び、失礼!)。

今回は、陸戦だけの練習ゲームをプレイします。シークエンスの特徴は、両軍が非対称なことです。戦略的攻勢側のWP軍は、機械化歩兵移動・攻撃-戦車移動・攻撃の変則ダブルインパルスになります。このため、序盤は圧倒的な戦力で、機械化歩兵で穴を開けて浸透し、戦車で踏みつぶして跳躍前進をするパターンが再現できます。逆に戦力が磨り減ってくると、穴を開けられずに前線が膠着し、予備が使えないという、悪循環に陥ります。また、WP軍は後退ができないため、反撃を受けるともろいです。反対にNATO軍は、通常の移動・攻撃だけですが、全兵科の戦力が集中しやすく、守りに適しています。

戦闘での特徴は、圧倒的に防御側有利のCRTと、極端なまでの戦闘後前進にあります。基本CRTは、平地の4:1攻撃でイーブンです。森林は1シフト、荒地は2シフト、都市に至っては4シフト(!)にもなり、都市攻撃は最低でも5:1以上でなければ、成り立ちません。これに川越えの2シフトまたは4シフトが加わると、目も当てられません。CRT自体は、攻撃側に極端に厳しくなっていますが、逆に高比率の攻撃が成功すると、ZOC制限のない戦闘後前進ができます。最大で5ヘクス(!)の前進を獲得できれば、一撃で敵の戦線を分断することも可能です。緻密な戦闘準備(戦闘比立て)が必要な反面、dtによっては大突破も可能という、賭博性の高いシステムと言えます。

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第1シナリオは、西ドイツ中央部への進撃を描いた「緑地帯を越えて」です。最も西側に張り出した国境線を超えて、戦車8個師団、自動車化狙撃兵12個師団、空挺1個師団が突進します。対するNATO軍は、ブンデスヴェールとアメリカ軍が防衛の中心を担います。特別ルールで、第1ターンはWP軍の戦闘が1コラムシフトし、NATO軍は一切の移動ができないことになっています。

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[第1ターン]
 一斉に国境を越えたWP軍は、前方で警戒行動を取るアメリカ軍騎兵旅団に猛攻を加えた。#2619の平地にいる騎兵旅団に最高比率の12:1攻撃をかけ、0/4として北方へ蹴散らした。4ヘクスの戦闘後前進を遺憾なく使って、#2718の騎兵旅団を包囲殲滅し、フランクフルトへの道を開いた。

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 続く、戦車フェイズで、後方に控えていた2個戦車師団がアウトバーンを突進し、フランクフルト東方のアメリカ軍機甲旅団に包囲攻撃をかけ、これを殲滅した。

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また、敵地後方に浸透した空挺師団は、次ターンに備えてフランクフルト北部の森林地帯に身を潜めた。動員の遅れたNATO軍は、だた、指をくわえてこれを見ているしかできなかった。
<ソ連軍の勝利得点:1VP >

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[第2ターンWP軍]
 敵が即応態勢に移る前に都市部を落としたいWP軍は、増援の自動車化狙撃兵師団を投入して、フランクフルト前面及びケッセルの部隊に攻撃を仕掛けた。空挺部隊と自動車化部隊の後方遮断により退路を失ったNATO軍は、次々に壊滅した。特にフランクフルト方面の攻撃は0/3と大成功し、混乱状態に付け込んだ2個自動車化狙撃兵師団がフランクフルト市街に突入し、2ヘクスを確保した。

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 続く、戦車フェイズは後方に取り残されたNATO軍の殲滅戦になった。包囲された2個旅団に、大量の戦車が巧みな機動で襲いかかり、若干の損害と引き明けに、これを撃破した。都市占領と部隊の除去により、ソ連軍のVPは急上昇した。
<ソ連軍の合計勝利得点:9VP >

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[第2ターンNATO軍]
 やっと稼働状態に入ったNATO軍だが、都市部で守りを固めるWP軍を攻めるには戦力が不足しており、各地でスタックを作って、これ以上の進行を防ぐのがやっとだった。ただ、ヴュルツブルグ北方で、せめてもと、アメリカ軍を主体にした4:1攻撃をかけたが、これがまさかの大失敗!(2/0)戦力を温存したいNATO軍は、部隊を後退させた。

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[第3ターンWP軍]
 フランクフルトとケッセルに足場を確保したWP軍だが、さすがに都市部のスタックを正面から攻撃するには力不足で、お互いに膠着状態となった。多少でも、揺さぶりをかけるべく、ダルムシュタット東方の森林地帯に陣取る米独混合部隊に、5:1攻撃をかけ、これを後退させた(0/1)。

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 正面軍が敵を引きつけているうちに、アウトバーンを制したWP軍は、北端から次々と部隊を突破させた。機械化フェイズの3ユニットに続き、戦車フェイズに東ドイツから登場したばかりの3個師団も北方に転用し、一気に6VPを獲得した。
<ソ連軍の合計勝利得点:15VP >

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[第3ターンNATO軍]
 もはや、WP軍の勝利を阻むことはできないが、以後の反撃のために、再度、ヴュルツブルグのアメリカ軍が攻勢に出た。平地で単独行動をしていた東独の自動車化狙撃兵師団に対し、意地の3:1 攻撃を仕掛けたが、またも結果は1/0で失敗・・・いいところなく、攻撃部隊は後退し、ゲーム終了となった。

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[勝利判定]
都市の占領 …6VP(3ヘクス)
敵部隊の除去…3VP(6ユニット)
部隊の突破 …6VP(6ユニット)
合計15VP で、WP軍の勝利。

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 期待と不安で取り組んだ練習シナリオですが、緻密な戦闘準備と賭博性の高いCRTにより、WP軍はかなり考える要素が多く、楽しめました。ワルシャワ・パクトの軍事ドクトリンを再現するための変則ダブルインパルスも、うまく機能していたと思います。ただ、NATO軍は制限が多く、ほとんど反撃できないので、あくまでシステム習熟用のソロシナリオと考えた方が良さそうです。

 まあ、当時のアイテムらしく、戦闘比立てと戦闘後前進に労力を使うので、それなりの習熟(または感触)が必要です。が、個人的にはこういった「頭脳労働」は嫌いじゃないので(笑い)、ぜひ、標準ルールで、NATO軍の反撃までプレイしてみたいものです。

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この記事へのコメント

takoba39714
2009年07月29日 22:15
練習シナリオをされているということは、ついに未切り離しのシートリストを手に入れられたのですね。私もその情報欲しいです。
だってまともなSLGなので(失礼)私みたいな陸戦ダメ人間が復習するには、かはり基本から押さえないと。
mitsu
2009年07月29日 23:16
ところで、takabaさん、関東に来たくなったでしょう?ほらほら~(笑い)。

冗談はさておき、ちょっと癖のあるアイテムですので、お気をつけて。ちなみに、練習シナリオとキャンペーン(通常)シナリオでは、スタック制限や攻撃オプションなどの違いで、戦術にかなりの変化がありそうです。

takobaさんくらいのベテランさんなら、練習シナリオはさらっと一、二度、プレイして、本命のキャンペーンに時間をかけた方がいいかもしれません。未プレイなので、細かいゲーム展開は不明ですが、システムはとても2800円とは思えないクオリティです。
takoba39714
2009年08月03日 20:37
>takobaさんくらいのベテランさんなら
ど、どこのtakobaさんでしょうそれ(笑)。
関東行きたいです。でもガンダムがお台場にあるうちにはついに行けませんでした。只今エネルギー充電中。
うおP
2009年08月03日 20:43
えっ!?
takobaさんがご来訪のご予定!?
こちらもめいっぱいエネルギー充電しておきます。

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