イスラエル軍は「アフリカ」を征服したか?-中国農場(SPI/T誌付録)

猛烈な業務多忙に付き、なかなか、プレイできない状況でしたが、先日、やっとソロプレイをすることができました。かつて月刊タクテクス誌の付録となった「中国農場」(SPI)です。

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このアイテムは、Modern Battleシリーズの一作で、第4次中東戦争の激戦地-スエズ運河周辺での戦闘を描いています。ユニットは、イスラエル軍が大隊規模で、エジプト軍が旅団/連隊規模。システムは、移動での離脱不可能な強ZOC に、スタック禁止。戦力差によるCRTを使用したマストアタックで、砲兵の支援有り。

どっかで聞いたシステムだなと思ったら、そう、古典中の古典-NAWシステムなんです。最新イメージの現代戦に、古いNAWシステムで大丈夫か?と疑いましたが・・・おお、結構、いけるぞ!

それほど広くないハーフマップで、運河や砂漠で移動が制限されるので、ZOC離脱不可能も、不自然さはなし。逆に、砲兵が弾幕射撃(攻勢支援)と突撃破砕射撃(防御支援)と分かれていて、結構、駆け引きがあります。また、強力無比ながらミサイルが怖い(VP献上)イスラエル空軍と、戦闘には関与しないが敵空軍にプレッシャーを与えるSAMの存在が、よいスパイスとなっています。

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ただ、イスラエル軍が史実以上に有利なので、以下のハウスルールを適用しています。
[18.26]特別ルール
2.エジプト軍ユニットは、第3ターンまで、スエズ運河ヘクスサイドを横断できない。(オリジナルは、第4ターンまで)

また、戦闘が入り組んでくると、どの砲兵が砲撃したか(ミサイル迎撃したか)、忘れそうになるので、砲撃力(SAM力)と射程を記載した砲撃マーカーを自作して、使っています。ターントラックとVP表も作って、ソロプレイしやすくしました。

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それでは、久々のソロAARをどうぞ。

第1ターン、イスラエル軍は、シナイ戦線で待ちに待った反撃を開始した。スエズを渡ったエジプト軍の中央を突破し、逆渡河で敵の後方を遮断する作戦である。攻撃の先頭は、栄えあるシャロン師団である。

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イスラエル軍は、南部で迂回をしていた1個師団を北上させ、中国農場を占拠。後方の敵砲兵に対しては、地対空ミサイルを巧みにかいくぐったイスラエル空軍が、牽制爆撃を行い、突撃粉砕射撃を遮断した。

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機械化部隊が快速を生かして、敵戦線の背後を押し上げ、半包囲態勢で攻撃を仕掛けた。drもよく、理想的な戦闘後前進により、1個砲兵を混乱させ、2個歩兵旅団を壊滅させた。

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対するエジプト軍は、アル・タサ-マツメド・ルートを遮断すべく、砲兵の弾幕射撃を投入して、反撃をかけた。が、イスラエル軍の突撃粉砕射撃により、あえなく後退となり、完全にルートを封鎖することはできなかった。

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第2ターン、イスラエル軍は、運河への道を確保すべく、西からの平押しと同時に、南部からの迂回攻撃を続けた。またも、イスラエル空軍の砲兵狩りが効を奏し、アル・タサ-マツメド・ルートを奪取することに成功した。後方で突進を待っていた架橋工兵は、一部で迂回をしながら、道路移動を駆使して、一気にスエズ運河に到達した。これにより、早くも次ターンに、イスラエル軍の機動予備が登場できることになった。

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どうにかイニシアチブを取り返したいエジプト軍は、西部で突出した敵の戦車大隊に対し、歩兵・戦車・砲兵を投入した包囲攻撃をかけた。なりふり構わぬ集中攻撃で+8まで差がついたが、イスラエル軍は空軍による猛烈な防御支援を実施(8火力)! 激しく撃ちかけられたSAMにより、少なからぬ損害(3VP) を出しながら、戦力差をイーブン(±0)に戻すことに成功した。この気迫が乗り移ったのか、戦闘は1/3の確率を押し開き、A1(攻撃側後退)となった。これが成功していれば、7VPを獲得した上に、中心戦力の戦車大隊を一つ、排除できただけに、エジプト軍にとっては痛い敗北となった。

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第3ターン、架橋に成功し、待望の機甲増援を得たイスラエル軍は、2個戦車大隊を含む4個部隊にスエズ運河を逆渡河させ、一部がイスマイリア市に突入した。同時に、主力は包囲網に残った歩兵を圧殺しながら、東岸のエジプト軍に平押しをかけた。効果的な攻撃で、機械化旅団1個及び歩兵2個を壊滅させた。

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エジプト軍は、主力を東部から引き戻し、運河近くで突出した戦車大隊に包囲攻撃をかけたが、激しい突撃破砕射撃と空爆に遮られ、またもや失敗(A1)。SAMによる攻撃で3VP を獲得できたのが、せめてもの救いだった。一方、東岸南部から登場した2個戦車旅団は、イスラエル軍の動きを牽制すべく、一路、北上し、途中で敵の阻止部隊と対峙状態に入った。

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第4ターン、橋頭堡を確保したイスラエル軍は、さらに9ユニットを渡河させ、次々とSAM基地を破壊して回った。SAMの脅威が半減したところで、渡河主力をファイド市に突入させ、南下を始めた。一方で、イスマイリア市東岸でも、圧倒的な空軍の傘の下で波状攻撃をかけ、ほぼ盤端までエジプト軍を押し込めた。また、南部の戦車旅団にも、追加の2ユニットを派遣し、反攻を始めた。SAMの保護がなくなったエジプト軍は、各地で敗退し、SAM4ユニットに、砲兵2ユニット、戦車・歩兵各1ユニットという、膨大な戦力を失うことになった。

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追い詰められたスエズ東岸のエジプト軍は、増援もつぎ込んで乾坤一擲の反撃を行ったものの、若干のVPと引き替えに、壊滅的な航空爆撃を喰らい、さらに敗走と自滅を繰り返した。南部の戦車旅団が、突撃戦闘により、イスラエル軍歩兵ユニットと差し違えた(Ex)ことだけが、唯一の朗報だった。

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第5ターン、波に乗るイスラエル軍は、一気に戦果を上げるべく、各地で重厚な攻撃を継続した。イスマイリアでは市街地の大半がイスラエル軍の手に落ち、唯一残った橋の周辺にエジプト軍の4ユニットが孤立した。ファイド市では、3倍以上の兵力差を生かして、全面攻勢をかけ、全市街地を制圧した。南部では、1ユニットのみ残った戦車旅団を、包囲殲滅し、この方面の脅威を消滅させた。エジプト軍は、増援を投入して、イスマイリア市での反攻を企てたが、地の利を得た敵歩兵と適切な航空支援により、自滅するだけであった。

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第6ターン、わずか数ヘクスに押し込められたイスマイリア外郭陣地では、諸兵科合同の猛攻撃に、エジプト軍が次々と壊滅していった。唯一、反撃を行った戦車旅団(6戦力)も多勢に無勢で、後退を余儀なくされ、退路遮断のため、全滅した。

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一方、戦闘の焦点が移ったファイド市周辺では、外郭の山岳地帯に陣を張ったエジプト軍に、イスラエル軍が力押しを挑み、じりじりと戦線を押し下げた。

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第7ターン、ついにイスマイリア市が陥落し、同市には機械化歩兵大隊が進行して、完全に市街地を占領した。

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南西戦線では、SAMによる若干の被害を受けながらも、イスラエル空軍が敵砲兵を制圧。8個戦車大隊を並べた平押しで、第8ターンまでにマップ南端へ3ヘクスまで前進した。

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エジプト軍は西端からの増援を持って、1個戦車大隊を包囲攻撃したが、堅い地形と空爆により、攻撃は失敗。逆に突出した形になったエジプト軍戦車旅団が、逆襲により壊滅した。

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第9~10ターン、もはや山岳戦に移行した南西戦線では、エジプト軍が破断点に到達しようとしていた。戦車を前面に並べ、砲爆撃を惜しげもなく投入した攻撃により、じりじりと戦線は後退。第10ターンには、ついに戦車大隊が南端ヘクスにたどり着いた。突破をかけた盤端での戦闘では、エジプト軍が全ての戦力を投入した反撃で、+1の包囲攻撃に成功したが、ここでdrはまさかの「1」A1! 奇跡の勝利で、イスラエル軍の突破は確実になった。

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第11ターン、限定戦闘で突破口を広げたイスラエル軍は、最終ターンに、ついに盤端からの突破に成功!南端から5個、西端から2個の大兵力がエジプト領深くに進行し、VPを獲得した。最高の18火力となった空軍も、SAMが激減したことで、勝手放題に後方の敵砲兵隊を蹂躙し、多くの砲兵を混乱状態に陥れた。

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もはや、敵の跳躍を見守る以外にないエジプト軍だったが、唯一、戦線を維持しているスエズ市方面の部隊をかき集め、意地の反撃を行った。突出した戦車大隊に対し、砲兵の近接砲撃を含む、4ユニット+3砲兵の協同攻撃!drも味方して、ついに、敵の戦車大隊を壊滅させることに成功した。

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が、時、すでに遅く、ゲームセット。VP計算をしてみると・・・

エジプト軍 …33VP(SAMによる21点、壊滅させたユニットによる12VP)
イスラエル軍…132VP(イスマイリア市制圧25点、西岸進出及び突破107点)
よって、イスラエル軍の決定的勝利となった。(了)

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展開的には、まだ、イスラエル軍が優勢ですが、反撃開始とスエズ運河の逆渡河、山岳戦と南端からの突破など、史実を彷彿させるエピソードが再現されています。地形や増援の把握など、やや慣れが必要なアイテムですが、プレイ時間も3~4時間とお手頃です。なにより、ここまで簡単なルールの現代戦は、少ない!ちはら会では、ご希望があれば、いつでもインストしますよ~。

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この記事へのコメント

舞方雅人
2009年04月12日 10:59
おお、懐かしい「中国農場」ですねー。
なんだかんだ言って私も時たまやりたくなるゲームの一つです。
久しぶりに見ることができてうれしかったです。
mitsu
2009年04月12日 23:01
ご無沙汰しています。「エチオピアのライオン」以来ですね。

同じ砂漠つながりで(?)中国農場になったわけですが、テーマに選んだのは、偶然でした。あまりに忙しくプレイできないので、落ち着いたら絶対、ソロするぞ!と持ちアイテムを夜な夜な見ているうちに、簡単そうと、飛び込んできたのが、これでした(笑い)。

やってみると、思いの外、タフで、砲兵支援や空爆にかなり頭を使います。特に、イスラエル空軍の支援とエジプト軍のSAMの対決は、よい彩りとなっています。飛び交う対空ミサイルをくぐり抜けて、決死の地上支援をするファントムやスカイレーダーの姿が、目に浮かぶようです。逆に、高火力のSAMは、雨あられのように打ち上げられるゲインフルを彷彿とさせます。

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