見た目は完全にC級・・・でも、本当は、佳作かも?!~異次元の悪魔(T誌付録)

「今月のソロプレイ」第二弾は、「異次元の悪魔」DIMENSION DEMONS(T誌付録)です。1980年に色物SFで知られるメタ-ゲーミング社から発売され、T誌付録となりました。

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ルールはA4でわずか4ページ半で、しかも2年前にレジメも完成していました。ユニットも少ないし、見るからにシンプル。お手軽B級のちはら会向きのアイテムなのですが、なぜ、ここまでプレイされなかったかって?実は、「ちょっと危なくって」手が出なかったんです(笑い)。原因は、色物過ぎる「SF設定」と「あまりにあんまりな」コンポーネントにありました。

巻頭の設定文を要約すると・・・

「22世紀半ば、恒星間移動の手段を手に入れたテラ政府は、広範囲にわたる宇宙植民を開始した。あまりに広く拡散したため、各植民地は独自の民兵を組織した。湿地帯であった惑星アイショムを干拓し、都市を造るまで発展したグループは、フリーフィートと呼ばれていた。」

まあ、ここまではよくありがちな設定でしょう。一応、人類側はSFっぽいんですよ。

「兵士は、レーザーを反射するアーマーを着ているので、シルバー・フリーフィートと呼ばれる。」
「砲兵は、サイズによって、ザッパー、ガットザッパー、ボールリッパの3種に分けられていた。おもに、レーザーに対する装甲と大型のザップガンを持った高速車両は、ホバークラフトとなっていた。」
「はじめは、悪魔の方に分があった。悪魔の音波を利用した兵器には、対レーザー用のアーマーは役に立たなかったからだ。」

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が、ここから、ほんとにSF?と言いたくなる状況に・・。

「このフリーフィート植民地を、謎のDemonsが襲ったのは、2169年だった。悪魔は、人類とは異なるテクノロジーを持つ生命体で、別の次元に住んでいた。火山の地熱を利用した技術で空間輸送機を使い、戦士たちを惑星アイショムに送り込み、破壊の限りを尽くした。」
「悪魔は分裂の一種によって増殖する。人間が『種』と呼んでいる個体がある条件を満たすと、2つに分裂するのだ。」

SFなのに、「悪魔」って、なんやねん?!地熱を利用したテクノロジーで、別次元から空間輸送機?挙げ句に果てに、「戦士の卵」が分裂?!進んだ科学は、魔法によく似ていると言われるけど、これじゃ、まるで「剣と魔法の国」でしょう。

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「これはB級だから」と強引に目をつぶるとして、その後の展開も謎です。

「悪魔の姿は、見るもおぞましく、フリーフィートの連中は、悪魔を殺すほどの時間、相手を見ていることすらできなかった。しかし、人間は頑強であり、シルバー・フリーフィートはなかでも最も頑強な者ぞろいなのだ。」
「ついにスワンプトンからのフリーフィート中隊が、異次元輸送機を手に入れ、悪魔の秘密をあばいたのだ。」

いくら、頑強でも、「殺すほどの時間、相手を見ていることすらできなかった」ら、瞬殺でしょう!!だいたい、空間輸送機を持っているオーバーテクノロジーの相手に、人類兵器が通用するのか?どういうわけか、暴かれちゃった「悪魔の秘密」ってなに?ふ~む?

と、疑問が山積みのまま、「悪魔」の侵略動機が語られます。

「人間と悪魔は、ついに意志を通じ合うことはできなったため、彼らの目的は不明なままだ。どちらも捕虜をとったりすることはなかった。」

・・・ちょっと待て!(笑い)全然、説明になっていないじゃん!だいたい、敵がわからないなら、せめて捕獲・研究くらいするだろう。これじゃ、生物調査船パンドラ号にも、劣るぞ!(大笑い)

さらに、これを増長させるのが、あまりに貧弱なコンポーネントです。これが人類側のユニットで、イラストがどうにもショボい。

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そして、次がやる気を殺ぐこと間違いなしの悪魔側ユニット。右から悪魔の「戦士」、「異次元輸送機」、「卵」、「人間側世界で生まれた戦士」。

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とどめは、とってもプアーなマップ。上が、悪魔の「溶岩の煮えたぎる」火山惑星で、下が人類の惑星アイショム。間の宇宙空間は、「異次元空間」だって・・・。ひどい、これじゃ、あんまりに酷すぎる!B級を通り越して、C級(クレイジー!)じゃあ~!

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というわけで、プレイ準備後、2年以上にわたって停滞していた「異次元の悪魔」ですが、SF級の成仏のために、と一念発起して、ソロプレイしてみました。はっきりいって、全く期待していなかったんですが・・・あれ?まさか!もしかしたら?!

基本シナリオ「悪魔来襲」
人類側兵力:100ポイント → 歩兵×8、自走砲×4を購入
悪魔側兵力:130ポイント → 戦士×10、輸送機×2、「種」×2
勝利条件:悪魔側は、人類側を全滅させれば、勝ち。それ以外は、人類側の勝ち。

初期配置で、人類側は攻防の拠点となる全都市に歩兵を配置した(防御力×2)。悪魔側は都市を占領し、空間輸送機を配置するまでは、ターンの終わりに「溶岩の煮えたぎる」火山惑星に戻らなければならない。また、「種」も、空間輸送機のある都市から5ヘクス以内にあるときのみ、戦士を生み出すことができる。よって、戦闘は、都市を巡る攻防戦となる。

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さらに、悪魔狩りの要となる虎の子部隊-自走砲(6戦力)を分散配置し、侵攻する悪魔戦士を各個撃破していくようにした(6ヘクスの長射程で、1/3の確率で敵の戦士を除去できる!)。基本は堅実な防御だが、敵に隙ができれば、都市の空間輸送機を奪取し、「溶岩の煮えたぎる」火山惑星に逆侵攻(!)することも狙った配置である。

第1ターン、悪魔側は、シルバーフリーフィート(以下SF)の要となる自走砲SPを叩くことにした。が、高戦力のSPは、生半可な兵力では倒せない(うまくいって、除去は1/6程度。その直前の防御射撃で、戦士1体が1/3で撃破される!)。そこで、考え出したのが、空間移送を使った特攻攻撃!そう、敵SPのいるヘクスに、戦士を突入させ、これを相殺しようというものである。確率は1/3だが、2体で移送すれば、2/3で除去できる!

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空間輸送機を二手に分け、西端と北端のSPに特攻!結果、「自爆テロ」で1機のSPを破壊することに成功した。目的を達した戦士たちは、再び、火山惑星にポップバック(強制帰還)した。人類側は、やむを得ず、生き残った自走砲を、敵の安定投射点から引き離すように移動させた。

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第2ターン、このターンも悪魔側の特攻が続いた。先のターンに、逃げ切れなかった北端のSPを、またもや特攻で相殺した。日本軍も真っ青の「大和魂」により、人類側の反撃勢力は1/2に低下した。

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第3ターン、敵SPの後退で安全圏を確保した悪魔側は、西端の都市(#0208)を占領せんと、4体の戦士を空間移送した。この攻撃は、守備隊(歩兵)の決死の抵抗により、頓挫したが、危機感を覚えた人類側は、SPのいる東側から歩兵を移動させ、西側の強化を目指した。

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第4ターン、悪魔側は、意表を突いて、護衛付きの「種」を東側に送り込んだ。目標は、#2203の都市。確率は決して高くはなかったが、この賭けは成功し、都市を占領。ただちに、新たな空間輸送機を設置し、橋頭堡を築いた。

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虚を突かれたSFだったが、ただちに近郊にいるSPを差し向け、最大射程での砲撃を開始した。迅速な反撃が効を奏し、護衛の戦士を除去することに成功した(2:1攻撃で×)。が、「戦士の種」を排除することはできなかった。

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第5ターン、無傷の「戦士の種」から、初の増殖戦士B1が誕生した。B1戦士は、通常の戦士と違い、惑星アイショムからポップバック(強制帰還)をしなくて済むため、これを放置すると、人類側はゆゆしき事態となる。SFは2台のSPを集中し、最大比(4:1)での除去を狙ったが、一撃で除去することができず(D状態)、次ターンの防御射撃で、やっとB1戦士と「戦士の種」を取り除くことに成功した。

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一方、敵の主力が東側に集中していることを見て取った悪魔側は、再び、西側の都市に転送した戦士3体による猛攻をかけた。防御効果を利用して抵抗したSF歩兵だが、多勢に無勢で全滅!こちらでも、悪魔側は、空間輸送機を設置に成功した。また、この攻撃には、一か八か「戦士の種」(の護衛戦士)も参加していたため、次ターンから新たなB1戦士がここから誕生することになった。

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第6~7ターン、悪魔側は誕生したB1戦士を前線に配備し、西側に防御戦線を張った。毎ターン、悪魔側には、1体ずつのB1戦士が誕生するため、時間を稼げば稼ぐほど、有利になる。東側の脅威を排除したSFは、すぐさま、2台のSPを転用し、歩兵とともに反撃態勢を整えた。

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第8ターン、増強する一方の悪魔側に対し、もはや時間のないSFは、歩戦協同の反撃を開始した。SPを北部と中央部に配置し、悪魔側の隅の戦士を攻撃!(4:1攻撃で×)一撃でこれを除去した。歩兵は、この隙から敵の拠点に浸透せんと、前進を行った。

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が、実は、悪魔側も万全な迎撃態勢を引いていたのである。第9ターン、安定投射範囲に入った敵SPに対し、火山惑星から特攻戦士が異次元突入を開始したのである。突如、異次元から実体化し、特攻をかける悪魔により、虎の子のSP部隊はなすすべもなく全滅!人類側は、圧倒的な劣勢に立たされたのであった。

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第10ターン、勢いに乗る悪魔戦士は、南北で同時にカウンターアタックを放った。南部はまだユニット数が拮抗しているため、決定的な戦果は上げられなかったが、敵の4倍近い戦力を集めた北部では、瞬く間に前線が蹂躙され、防御部隊は消滅した。

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一方、南部ではせめて一太刀浴びせんと、歩兵の縦列が突撃をかけた。この決死の攻撃により、B1戦士の1体を除去することに成功したが、2ターンに及ぶ包囲攻撃で、こちらの戦線も崩壊した。

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第11ターン、さらにSFの歩兵2ユニットが壊滅し、もはや組織的抵抗は終焉した。あくまで退却を拒むSFは、#0909の都市に立てこもり、絶望的な防衛戦を行ったが、あまりに強力な悪魔の攻撃により、第12ターンに全滅。第一次アイショム攻防戦は、悪魔側の勝利で、幕を閉じたのである。

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(AAR了)

というわけで、初めてプレイしてみた「異次元の悪魔」ですが、これが思っていた以上に面白い!確かにコンポーネントは酷いですが、ゲームの展開はスムーズで、かつ、ブラインドの部隊編成や作戦に基づいた初期配置、投射ヘクスの選択など、考える要素がたくさんあります。なにより、1時間かからずに、プレイできるのもいい!悪魔戦士の投射も、なにやら空挺降下ぽいっし(かなり贔屓目か?笑い)、本格侵攻前に、特攻で友軍の突入を助ける異星人なんて、ちょっと格好良くない?!

まだ、十分にやり込んでいないので、断定はできませんが、ちゃんとSF級をしている本作を、あなたも体験してみませんか?マイナー戦線ちはら会では、いつでもお相手しますよ!

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