第7回ちはら会レポート イスラエル独立の戦い

画像
以前から、千葉会で話題にのぼっていた「イスラエル独立の戦い」(CMJ)を、アラブ連合をへぼへぼさんで、イスラエル軍をmitsuでインストプレイしました。ゲーム開始時、舞台となるパレスチナは、アラブとイスラエルの友好地域が複雑に入り組んでいます。つまり、内戦状態(もっとも一般民衆に被害が多くなりがちなのが、内戦なんですが・・・)。

そこに、北からレバノン勢力(アラブ解放軍)、北東からシリア軍とイラク軍、東からは最強のトランスヨルダン軍、そして南西からはエジプト軍が進入し、イスラエルの武力消滅をもくろみます。パレスチナの同胞を救い、不当な建国宣言をしたシオニストを一掃するという、大義とは裏腹に、あわよくば自国の領土にいう野心が見え見えのため、足並みがそろわないことがしばしば(イベント)。また、戦略的に外線ということもあって、アラブ連合はタイミングのよい連携が鍵になります。

一方、イスラエルは、強引な国連決議(ニューヨークの奇跡)でとりあえず独立宣言をしたものの、まともな正規軍はほとんどなく、自警団または民兵に毛の生えた組織がほとんどです。よって、スタートは、増援と部隊のアップグレード及び再編成を駆使して機動兵力(旅団)を編成し、補給源(テルアビブとハイファ)の確保と聖地エルサレムの死守をします。その後、機動予備を捻出し、内線の強みを生かして、アラブ連合の各個撃破を試みます。

まず、第1ターンは、アラブ連合の進攻でスタート。豊富な補給量を背景に、各方面からアラブ連合が進入してきます。北部は、周辺の村々を制圧しながら、あわよくばハイファをねらい、東部は強力なアラブ軍団を押し立てて、エルサレムを狙います。エジプトも押っ取り刀で、ガザ地区に進攻し、もう一つの補給源テルアビブに圧力をかけます。この時、オーバーランを活用すると迅速な浸透が狙えるのですが、補給ポイントの消費を抑えたいへぼへぼさんは、通常移動で進攻します。そして、戦闘フェイズで補給ポイントを投入して(攻撃力倍加)、次々に周辺の村々を制圧します。ただ、唯一、失敗(EX)したのがアラブ軍団で、これで一時的にエルサレムへの圧力が軽減されました。

このままでは、滅亡を待つしかないイスラエル軍は、強力な旅団を次々に編成し、予定通り、まず、エルサレムへの道を押し開きます。街道沿いの村々を確実に制圧し(全てDDまたはDE)、ラトルン砦も攻略、第2インパルス終了時までに見事、エルサレム・ロードを開通し、新市街地ラインに強力な防衛ラインを引くことに成功しました。この成功で兵力にゆとりのできたイスラエル軍は、すかさず、反撃に移ります。目標は、史実通りのエジプト軍。

強行軍を使わなかったので、いまだガザまでたどり着けず、遮蔽物のない砂漠(地形効果R1!)にいたエジプト軍機械化部隊を、アローン率いる機械化2個旅団と1個歩兵旅団が包囲、貴重な補給物資を消費して総攻撃をかけます。結果は見事にDE!続く、インパルスには後方にいた歩兵旅団を捕捉し、これも壊滅させます(DE)。これで、エジプト軍ははやくも半身不随に陥りました。

一方、兵力を送り込みづらい北部は、とりあえず、2個歩兵旅団を予備として配置し、民兵を使って遅滞戦術を行います。基本は、ハイファの死守ですが、隙があれば唯一の機動予備の歩兵旅団で機動防御を行います。今回も突出したイラク軍偵察大隊を排除し、反撃をEXで凌いで、緩やかな後退に成功しました。

続く、第2ターン。お互い、ルールにも慣れ、これからの所だったのですが、いきなりイベントで停戦が発生、それも最大の3ターン!エジプト軍の半壊で、VPで大きく水を空けられているアラブ連合は、これでモラル崩壊し、インストということもあり、ゲーム終了になりました。

第1ターンだけのプレイでしたが、編成、移動(オーバーラン)、空爆、戦闘と、ダイスによって一手一手が適当な変化に富む展開で、十分に楽しめました。やや特別ルールは多いですが、それぞれに表現したいことが明白なので、史実の再現性が高く、煩わしさはほとんど感じませんでした。逆に、あれだけのルールでよくぞ、あの複雑な政治・軍事事情を反映できているなと関心しています。

イメージは、ゲーム終了時の様子。エジプト軍はネゲブ砂漠で半壊、アラブ軍団はエルサレムでにらみ合い(膠着状態)、北部はゆっくりだが優勢な戦力で攻勢中と行った状況。一方、イスラエル軍は、エジプト軍を半壊させた機械化部隊を使って、次にどこを叩くかが重要となる。順当にいけば、反転して、北部の諸勢力を攻撃することだが、エジプトの国境越えもちょっと魅力的か。

別件ながら。
今回も両軍が多用した「テロ」については、やっぱり複雑なところです(現在、使われている破壊活動というより、第2次大戦時のパルチザン狩りなどの反対派住民の粛正に近いものです)。軍事的にはきわめて有効なのですが、イスラエル側が計画的に行った、アラブ住民の「国外」への追い出しを考えると、かなり心理的な抵抗が・・・(「ディール・ヤシンの虐殺」は忘れまいと、思います)。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

擲弾兵
2005年06月13日 17:23
こんにちは~
イスラエル独立の戦い…面白そうですねぇ。楽しそうなレポートありがとうございます。。
ちなみに、戦争の悲惨さを歴史と通じて感じると、ゲームとはいえ今回の「テロ」や例えばゲーム上での足止め部隊(いずれは除去される)とかは、できればしたくないとても悩ましい戦術になりますよね。人はいつか死ぬ、けど意義ある死であれば少しは救われるのでしょうか?
 艦隊シリーズは是非是非よろしくお願いします。私の中で現代戦、しかも海戦はいろいろな兵器の応酬とたくさんのルール…という印象で、覚えるのに時間がかかるのでは??とちょっと尻込み。ひとまず第2艦隊を覚えてみます。
うおP
2005年06月13日 23:32
>できればしたくないとても悩ましい戦術になりますよね。
とても賛成です。
最近見た戦争映画で、「撃たれる人の人生」に改めて気が付いて、擲弾兵さんのような思いを持つようになりました。
「半個分隊は捨石だ!」なんていう境地には、とても達することはできなさそうです。
(「じゃ、ゲーム自体をやるなよ」なんて、いぢわるは言わないでください・・・)
擲弾兵
2005年06月14日 00:29
あら、こんな所でコメント頂けてありがとうございます。でも、ウォーゲーマーは意外と平和主義者も多いかもしれませんね。歴史を好むのとはまた別の次元かもしれません。でも、映画「アレクサンダー」の会戦シーンや「グラディエーター」の冒頭のシーンを見て心がふるえるような気がするのは、やはり人間、しかも男性は元々闘う事が本能としてあるのかもしれませんね。
 ハハハ、他の方のブログで盛り上がってしまいました。すいません(゚д゚lll);
yagi
2005年06月14日 09:37
私も「足止め部隊」や「半個分隊が捨石」なんて使いたくありませんでした。しかし、そう言う躊躇をしたばっかりに、もっと多くの損害を出してしまうことが多発しました。
極論すれば指揮官とは「いかに効率良く部下を殺すか?」になります。確かに自軍に損害が全くなくて、敵も捕虜にできれば良心的には問題がありません。しかし世の中そう上手くいきません。
以前「アンブッシュ」と言う一人用のゲームをプレイした時、なるべく両軍に死傷者が出ない考えましたが、おかげでベテラン兵が戦死してしまいました。
それ以来、考え方がかわりましたね。
うおP
2005年06月14日 12:42
yagiさん>しかし世の中そう上手くいきません。
んん、現実です。そこから目をそむけて「みんな頑張って」と言っている小生を「偽善」と言うのでしょうね。

yagiさん>極論すれば指揮官とは「いかに効率良く部下を殺すか?」
んん、ご教示ありがとうございます。

擲弾兵さん>他の方のブログで盛り上がってしまいました。
いえいえ、mitsuさんも、きっと草葉の陰で・・・
擲弾兵
2005年06月14日 21:26
銀河英雄伝説の主人公?ヤン・ウェン・リーも指揮官は味方の損害を少なくして敵を多く殺すのが良い指揮官と言っていたような気がします。歴史上の人物もそんな事を…。自分が指揮官でも下っ端でもやはり責任を果たすと思います(チビッチャウかもしれませんけどね)。結局生きるも死ぬも運だったりする部分もありますね。
 mitsuさんも草葉の陰ですか…(笑)
yagi
2005年06月14日 21:38
mitsuさんだから三つ葉の影って。どう?
yagi
2005年06月14日 21:38
mitsuさんだから三つ葉の影って。どう?
擲弾兵
2005年06月14日 22:14
本人不在のまま盛り上がるのもいとおかし…
三つ葉の影ですが…小さくって隠れにくそうですね(笑)
ASLでも三つ葉の陰には隠れられそうにもないですよね~
mitsu
2005年06月15日 00:50
仕事に追われて、やっと開いてみれば、おお、こんなに盛り上がっているとは!書き込みは、ブログ冥利(?)に尽きますので、どうぞ、お気兼ねなく、ご活用ください。

自分も昔は、この人たち(犠牲部隊や巻き込まれた民衆)のことを考えると、たまらないと思っていました。今でも、ベースは、より報われない側の立場でありたいのは、変わらないかなと・・・。好きな陣営が、フィンランド軍とか、南ヴェトナム解放戦線とか、夏の陣の大坂方とか、弱かった時の阪神(!)とか、になるのは、やはり、性でしょう。

SLGは、自分にとってはとても楽しい趣味ですが、その中に、史実の確認(かっこよく言うと、追体験)があると思っています。歴史の書籍が好きで、暇にまかせて乱読しますが、一見性とか、可能性の追求は、やはり、SLGの醍醐味だと感じています。
mitsu
2005年06月15日 00:54
例えば、今回のパレスティナでも、両勢力の「テロル」が頻発しましたが、「軍事的」には、とてもよくわかるわけです。きっと、自分がイスラエル軍の作戦参謀ならば、躊躇しないでしょう。

その一方で、この「テロル」が受ける側にとって、きわめて「非人道的」なことも、知っています。きっと、自分がその村の家長ならば、やはり躊躇せず、抵抗するか逃亡(避難)するでしょう。

う~ん、ちょっとマジになっちゃったかな~。

大事なことは、ささやかにSLGを楽しんでいる「一市民」は、「イスラエル軍の作戦参謀」にはほど遠いところにいることかと。プレイ中は、好きなように「旅団」とか「航空艦隊」とか動かしていますが、よほどの「偉い」立場でなければ、とてもとても・・・。

まあ、最後は「自分がどの立場でいたいのか」だと思っています。つまり、「本来」の側でありたい、と。

もしも、万が一にも間違って、「報われる側」にいったら、どうしましょうか。その時こそ、「本来」の主張をするチャンスじゃないですか!ラッキー!

この記事へのトラックバック

  • もっとも苛烈な砂漠と高原の紛争~中東戦争アイテム

    Excerpt: 第二次大戦後、世界規模の紛争は終結し、米ソの経済戦争を含む「冷戦」の時代に突入した訳ですが、局地的に常に「熱戦」を繰り返してきた地域があります。パレスチナ紛争に端を発する中東地域です。 Weblog: 歴史・戦史研究「ちはら会」 racked: 2009-05-05 22:35