歴史・戦史研究「ちはら会」

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zoom RSS GWオフ会第2弾は、IDFの独壇場!〜アラブ・イスラエル戦争(AH)B1

<<   作成日時 : 2009/05/08 21:47   >>

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またも例会参加が流れたので、常連TOMMYさんをお誘いして、自宅オフ会第2弾を行いました。行き当たりばったりでアイテムを相談した結果、先日の対戦で話題になった「アラブ・イスラエル戦争」(AH) をインストすることに!実は、以前、さわりだけソロプレイをしたことがあったんですが、まさか、これを人と対戦できる日が来るとは!

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ベースは、古典中の古典である「パンツァー・ブリッツ」システムです。ブリッツは、古参ゲーマーでその名を知らぬものがいない、戦術級ゲームのパイオニア。「アラブ・イスラエル戦争」は、そのヴァリエーションにあたるもので、シリーズの最終作にあたり、現代戦らしい豊富なオプションがついています。

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今だから白状しますが、SLGをはじめた中・高校当時は、全く興味がありませんでした。PBシステムという人気シリーズだったにも関わらず、中東戦争という日本では極マイナーなテーマ故、仲間内では噂にもならなかったのです。同じ系統の「パンツァー・リーダー」はかなりやり込んでいたのに・・・。

その後、幾多の歳月が流れ、歴史を愛するロートルになった頃、ヤフオクでこれと出会うことになりました。すっかり中東通に変わっていたことで、あの時、わからなかった背景を思い浮かべられるようになったのです。クネイトラの激闘、チャイニーズファームの大戦車戦、シャロンの橋頭堡、飛び交うファントムとSA-6・・・。イメージは、ここ二月ほど、穴が開くほど、読み込んでいる「中東戦争全史」(学研)。

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豊富で魅力的なシナリオ群と多種多彩な部隊と兵器に魅せられ、シナリオノートを眺めては、いつの日にかプレイをしようと、心に決めていました。そして、ついにインストながら、対戦にこぎ着けたわけです。TOMMYさん、ありがとう!

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今回、選んだシナリオは、実にシンプルな戦車戦−B1「BIR GIFGAFA」です。時代は、第2次中東戦争の1956年11月。英仏のスエズ運河占領の混乱に紛れて、IDFが電撃的にシナイ半島に侵攻。スエズ運河にたどり着いたところで、エジプト第1戦車旅団との遭遇戦に入ります。

登場兵力は、IDFが戦車と軽戦車の12小隊。主力は、フランス製のAMX13とスーパーシャーマン(M51)!スーパーシャーマンは、兵器調達に苦しむIDFが、ロートルのM4に無理矢理、105mm砲を載せて、主力戦車に仕立てたもの。エジプト軍は、ソ連から供与された戦車群の15小隊で、T34/85とSU100!こちらも、第二次大戦の「古参兵」です。中東ファンとしては、これだけで、うれしくなってきます(笑い)。

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ベーシックゲームでは、射撃と移動(のいずれか一方!)を繰り返すだけの極めてシンプルなシステムです。臨機射撃もなければ、オーバーランもなし(標準ルールには入っています)、地形も道路と砂丘のみという、戦車戦には理想的な戦場です。これだけだと、ただの殴り合いになりそうですが、イスラエル軍に突破得点を与えているために、高度な機動戦になります。バランス的には、IDFに傾いていますが、エジプト軍は考える要素が多く、短いプレイ時間(1時間弱)と相まって、適切な入門シナリオになっています。

第一戦は、守備側のエジプト軍をmitsuが、突破側のIDFをTOMMYさんが担当しました。

第1ターン、個々の戦闘力で優れるIDFは、M51の1個スタックをB盤へ迂回させると、本隊は、そのまま、北上します。エジプト軍は、突破を防ぐように、地形効果のある要所にスタックをつくり、敵を待ち受けます。

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このため、A盤中央部の砂丘群が主戦場になります。第2ターン、まず、IDFが様子見で長距離射撃を実施し、2:1攻撃でDを与えます。第3〜4ターン、エジプト軍は、撃ち合いを避け、道路を捨て駒で封鎖した上で、砂丘の背後で射撃グループを配置します。無理な突進をすれば、射撃戦で不利になるため、IDFはじっくりと砲撃戦を続け、T34の1個小隊を撃破し、2個を混乱状態にします。

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第4ターン、敵の打撃力を削減したIDFは中央部で前進をし、お互いに損害の増す接近戦に移ります。エジプト軍もここが勝負と、SU100の高火力を生かした射撃を選択。数ターンに渡って、激しい砲弾の応酬が続きます。

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が、徐々に攻撃修整が有利なIDFが優位に立ち、第9ターンには最後のSU100が壊滅します。IDFも無疵では済まず、AMXの2ユニットが昇天。中央部の砂丘は、両軍の戦車の残骸で、いっぱいとなります。

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打撃兵力の中核を失ったエジプト軍は、やむを得ず、T34部隊をばらして、敵の侵攻が予想される道路上に、分散配置を余儀なくされます。ここで、IDFは、思い切って部隊をB盤にシフト!手薄な道路上を突進し、快足のAMXは突破目前まで行きます。

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もはや勝利の可能性は低いものの、粘るエジプト軍は、同様に主力をB盤にシフトさせます。目標は、後方のM51スタック!このユニットの突破を、多少なりとも阻止することを狙います。

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不利を覚悟で、エジプト軍は射撃を継続し、1:2−2:1のラッキーヒットなどにより、スーパーシャーマン1ユニットを撃破します。が、精強IDFの攻撃は正確で、第14ターンまでに、1個スタックを残して、エジプト軍は瓦解します。

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迎えた最終ターン、IDFは突破をしてVPを獲得しに来るはず・・・敵の移動力を冷静に計算したエジプト軍は、要衝の交差点にT34を居座らせます。これを除去しなければ、後方のM51スタックは突破できず、かといって射撃をすれば、当然、移動できず。

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悩んだ末、IDFはこのT34を4:1で攻撃。が、敵の決死の抵抗で、まさかのD!(1/6の確率)やむを得ず、もう1ユニットを射撃に投入し、これを除去します。残ったユニットは、道路上を邁進し、7ユニットが突破しましたが、射撃を行った2ユニットが盤上に残ることになりました。

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得点を集計したところ、
<イスラエル軍>
 突破7点+敵の撃破26点=33点
<エジプト軍>
 突破阻止2点+敵の撃破6点=8点
でIDFの勝利となりました。

思いの外、さくさく進んで、楽しかったので、すぐに、もう一戦、行きましょうと、陣営を入れ替えて、連戦しました。

第二戦は、まず、高機動力を生かしてIDFが敵の中央部を突破します。中央付近に陣取るエジプト軍に対し、M51の長距離射撃で、1ユニットを撃破。敵が怯んだ隙に、キラースタックが中央部に進出し、周囲を制圧。同時に、快足AMXがB盤方向に突出し、敵の裏に回り込みます。

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ここで、TOMMYエジプト軍が取った手は、数の優位を生かした近接突撃でした。中央のキラースタックの周りをT34で囲むと、高火力のSU100を砂丘越しに接近させます。移動できないようにして、至近距離の射撃戦を挑み、敵を道連れにしようという作戦です。

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これに対し、IDFは周囲の2スタックが中〜長距離射程で、外郭の1つを集中砲撃し、T34を撃破して、ルートを開削!ここから、無事にM51スタックが脱出し、砂丘の背後に逃げ込みます。

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ならば、今度は後方のスタックを、とエジプト軍は再び、半包囲で接近攻撃を仕掛けますが・・・。数が少なくなったと判断したIDFは、長距離とともに、超至近距離からの先制射撃を行います。火力2倍の効果は抜群で、一気に4ユニットを殲滅!エジプト軍も、SU100を集中し、M51の1個小隊を撃破しますが、再反撃でさらに3ユニットが壊滅。
早々と、T34隊が全滅してしまいました。

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こうなると、SU100も迂闊に動けず、防御態勢を引きます。IDFはこれにつきあう義理はないので、さっさと死角を迂回すると、そのまま、道路を北上。

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第10ターンに全ユニットが突破して、ゲームセットとなりました。

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<イスラエル軍>
 突破11点+敵の撃破24点=35点
<エジプト軍>
 敵の撃破2点=2点
でIDFの圧勝となりました。

TOMMYさん、曰く「数値は4つくらいが、わかりやすくていいな〜」。確かに近年の戦術級は、兵器マニアの期待に応えるべく、細密化が進んでいます。「ATS」や「IDF」など、各戦車がデータカードになって、微妙な違いを楽しめます。反面、命中値や被害箇所を調べるにも、カードとにらめっこの手間がかかります。

その点、「アラブ・イスラエル戦争」は射程と3つの火力の変化があるくらいで、一度、プレイすれば、空で計算でき、とってもスピーディ。それでも、突破(とその阻止)というシチュエーションから、思った以上に考える要素が多く、十分に頭を絞りました。シンプル故に、手順ではなく、戦術そのものに没頭できる楽しさ。細かいところは気になるかも知れませんが、本来、ゲームは、このぐらいで十分なのかもしれません。

30年以上前のオールド・ルーキーですが、「老兵は死なず」、TOMMYさんと再戦を約束しました。もし、興味のある方がいれば、ちはら会で、いつでもインストしますよ〜。

最後に・・・
ルールの記載があいまいで、解釈が分かれた障碍(砂丘)ヘクスサイドについて、「パンツァー・リーダー」のLOSの記述から、類推してみました(7.戦闘J.照準線と障碍地形1-b及びc、9ページの図表を参照)。TOMMYさん、次はこの解釈で、どうでしょう?

[障碍ヘクスサイドの効果]
・砂丘ヘクスサイドの効果は、ヘクスの接合点まで及ぶ。接合点にかかったLOSは、阻 止され、その背後にいるユニットは、部分遮蔽(ハルダウン)の適用を受ける。
・砂丘ヘクスサイド上に(完全に)重なるLOSも同様に、阻止される。

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コメント(4件)

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原点回帰というわけでもないのでしょうが、シンプルでありながらイメージを喚起させる力の高いゲームはいいですよね。
ASLもいいんですが、SLのシンプルさも捨てがたいなぁって思うことがままあります。
舞方雅人
2009/05/09 09:25
おっしゃる通り!当時は、これが「限界」だったわけですが、もっとも基本の要素は盛り込まれていており、「本質」そのものなのかもしれませんね。まだ、基本シナリオだけですが、十分にテスト検証した感触は、伝わってきます。TOMMYさんが「やっぱり、老舗(AH)だな」と言っていたのが、印象的です。

「旧いモノだから」とか、「舶来品だからモノが違う」とか、というわけではなく、「本質だからいい」と言える作品を、自分なりに楽しんでいきたいです。昨今、ロン・ベル人気など、「本質への回帰」が話題になっているので、ちはら会も悪食で頑張ります(笑い)。

勝手に「れこんきすた・シリーズ」とか「るねっさんす・シリーズ」とか、命名しようかな?!
mitsu
2009/05/09 10:51
どもです。

おーっ!
とうとうAIW行きましたねー!
どーです、イイでしょー。笑
私が初めて買ったウォーゲームです。
んでもって、ご指摘のとおりPBシリーズの集大成となっており、
ルールを3段階で荒っぽくいえば、PB→PL→拡張発展版という感じで
ステップアップしていけます。
同じシナリオでも標準ルールでプレイすると機会射撃ができるので
エジプト軍もイスラエル軍に一矢報いることができます。
(ただし、回復に士気チェックを要求されると逆にややつらくなるかな?)
それに先に進んだシナリオでミサイルやヘリ、各種工兵車両が入ってくると
ボード上は華やかになりますので、ぜひぜひ。

…いやー、しかし、AIWのお相手がいるとはうらやましい限りです。
どこでもドアがあれば、私も即参戦なんですが〜。
TORO
2009/05/09 18:06
TOROさん、コメントをありがとうございます。

旧いモノ故、展開的にはあまり期待しなかったのですが、「ブノット・ヤコブ橋」にしろ、AIWにしろ、予想外の楽しさで、すっかり温故知新になっています。
だんだんと欲が出てきて、ヘリとかSAMとかも、飛ばしたくなってきました(笑い)。いつか、IDF(AH)もやりたいな〜。

関東ご来訪の際は、ぜひ、AIWとブノット・ヤコブ橋の中東競演を!
mitsu
2009/05/10 09:26

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