歴史・戦史研究「ちはら会」

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zoom RSS ダミーを纏った圧倒的な破壊神〜SINK THE BISMARCK!(CMJ)

<<   作成日時 : 2008/02/11 22:22   >>

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2月例会の緒戦は、当時世界最強の戦艦ビスマルクと七つの海を支配する百戦錬磨のイギリス海軍との戦いを描いた「SINK THE BISMARCK!」(CMJ)です。ビスマルクの最初で最後の戦闘航海をシミュレートする海戦作戦級で、かつて3Wから発表されたものを、CMJがライセンスしています。

デザイナーは、かのマイケル・スコット・スミス。「戦艦の戦い」(CMJ別冊)や「Bloody Octorber」など、シンプルなシステムで本質を突く作品群を手がけています。ちはら会でよくプレイされるシンプル潜水艦戦の「Run Silent,Run Deep」(3W)も、彼の作品です。

今回は、「海軍提督」kawaさんの要望を受け、事前に陣営を決めての対戦となりました。大西洋への突破で通称破壊を目論むドイツ海軍をmitsuが、本国艦隊の全力を挙げてこれを捕捉・撃滅せんとするロイヤルネイビーをkawaさんが担当します。

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セットアップですが、ロイヤルネイビーがほぼ配置が決めっているのに対し、ドイツ海軍には、突破ルートに3つの選択肢があります。最北のルートは、史実でリッチェンス提督が使ったデンマーク海峡をめざすもの。中央のルートが、ドイツ海軍本部が想定していたアイスランド−フェロー諸島のギャップを狙うもの。最後の南のルートが、イギリス本国近くをかすめるもの(あまりにも捕捉される危険が高く、ほとんどブラフです)。

今回の作戦は、ダミーで揺さぶりをかけて、敵艦隊を分散させ、隙を見て、最北ルートと最南ルートを目指す作戦です。普通は、初期にいきなり突破を試みることが多いですが(自分もよくやります)、それだけに敵も十分に予測しているはず。ならば、「ブラフ好き」(?)の腕にかけて、「後手からの一撃」で突破してみせましょう!

序盤、まず、最北のデンマーク海峡には、ダミーをそれらしい動きで向かわせ、敵をつり上げます。その間に、ヘクス3508に置いた本隊を、ヘクス3810のダミーと合流させ、ビスマルクとプリンツ・オイゲンを分離します。主力のビスマルクはダミーに続いて北からの突破を、プリンツ・オイゲンはドーヴァー海峡を目指します。

第2ターン、夜闇に紛れて、ダミー部隊がデンマーク海峡に進入します。まだ、霧が発生していないため、これはかなりの確率で見つかるはずです。実は、これは見つけてもらう「見せ金ダミー」。索敵に成功してダミーとわかると、自分を含め、大抵の場合は「うまくいった」と思い込みます。すぐ直後に主力のビスマルクがいるのですが、「これもダミーで、本隊は第二ルートかも」という意識が働きやすくなります。

これでkawaさんが、本国艦隊の主力を第二ルートにシフトしてくれれば、ラッキー。シフトをせずに、次に突入するビスマルクが見つかったとしても、「こんな手を仕掛けるとは」と警戒させられれば、御の字です(心理的揺さぶり)。この間に「実は本命」の高速艦プリンツ・オイゲンが、大西洋に突破できれば、十分に勝機があります。

逸物を隠したダミー突入でしたが、ここで思わぬ誤算が生じます。RNの巡洋艦隊とアイスランドの哨戒機が配備されていましたが、索敵drがまさかのスカで、ダミーTFがスルー!「見つけてもらって」警戒を薄めるはずが、「突破」に成功して警戒を強めてしまいます。う〜ん、困ったゾ。これでは、敵が反応して、北方に主力が集まってしまうではないですか!

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迷ったあげく、続く第3ターンに、「ダミー」にわざわざ「ダミー」をつけて、流氷沿いに「突破」のフリをさせます。で、主力のビスマルクは、予定通り、デンマーク海峡に突入。下手をすれば、遅れて集めってきた敵の本国艦隊と、鉢合わせの危険もありますが、ダミーのどちらかでも生き残れば、主力はそちらに引きつけられるはず。案の上、敵はビスマルクそっちのけで、「突破」したダミーに全力で索敵をかけてきましたが・・・。

ここで、さらに予想外の事態が!悪天候にもかかわらず、ダミーを索敵した哨戒機と巡洋艦隊が、探知に成功し、ダミーとばれてしまいます(ここまでは、まあ、やむを得ない範疇です)。が、運の悪いことに、ジェットランド周辺をうろうろしていたプリンツ・オイゲンが、哨戒機に発見されます。となると、消去法でデンマーク海峡に突入しているTFが、(未発見ながら)ビスマルクとわかってしまう羽目に!

実は、プリンツ・オイゲンの機動は、ルールの勘違いによって起こったミスでした。地形効果表をよく確認していなかったため、ドーヴァー海峡は(発見はされても)突破が可能と思い込んで、そちらに向かっていたのですが、「そこは通れないよ」というkawaさんの一言で発覚。さらに、本国の哨戒機に引っかかって、位置と艦種が露顕してしてしまったのです。ああ、痛恨のミス!

突破に失敗したばかりか、両艦の位置まで明らかになってしまったドイツ海軍。やむを得ず、艦隊を引き上げると、ノルウェイ沖で再編をしながら、チャンスを待つことに。丸々、2日を無駄に過ごしてしまった形になりましたが、まだ、時間はあると言い聞かせて、じっと刻を待ちます。

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と、第8ターン、気まぐれなダミーの神(?)が、ドイツ軍に微笑みます。あれほど視界のよかったデンマーク海峡に、初めての霧が発生!霧が出ている間は索敵ができないので、ダミーTFを送り込んで、さりげなく突入のタイミングを計っているように、振る舞います。先ほどあやうく突破されかけたRNは、かなり敏感に反応したようで、機動力のある部隊(TFの移動力から推測)を、レイキャビック付近に引き上げます。

アイスランド−フェロー諸島ギャップは、哨戒機が主力に。まさに、今しかない!突破の決断をしたドイツ軍は、デンマーク海峡のダミーを3ターンにわたって引っ張りながら(奇跡的に霧が晴れず!)、ビスマルクを第一陣に、プリンツ・オイゲンを第二陣にして、アイスランド−フェロー諸島ギャップに突入を開始します。お誂え向きに天候も悪化し(劣悪)、索敵drの悪さにも助けられて、第10ターンまでに敵の哨戒網を突破します。前方には青々と広がる大西洋の大海原が!

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完全に出し抜かれた形のRNは、全速反転してドイツ軍を追いかけますが、安全圏に入るまで周辺の船団を無視して南下を続ける2艦を、捕捉することができません。毎回、ダミーを散らして位置を隠匿するドイツ軍の作戦に、発見はするものの追尾はできず。一度だけ、高速追撃中の巡洋艦隊が、プリンツ・オイゲンをレーダー捕捉(追尾)するチャンスがありましたが、またもdrに祟られ、失敗!「・・・・戻ったら、(マンチェスターの)艦長は更迭だな」と、悔しがるkawaさん。

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第12ターン、船団航路のど真ん中に踊り込んだビスマルクは、敵のTFに護衛された船団に攻撃をかけます。護衛に戦艦でもいたら面倒だったんですが、数ターン前からの動き(3移動力)では、悪くても巡洋戦艦がせいぜいのところ。最強を誇るビスマルクならば、十分に勝機があります。果たして、船団の前に展開していたのは、主力から先行して護衛についた、5隻の巡洋艦隊でした。ここにライン演習初の水上戦闘が始まります。

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まず、はじめの3ラウンドは、長砲身のビスマルクが一方的に敵をたたきます(射程の関係)。記念すべき第一斉射は、重巡サフォークを捕らえ、これを爆沈!史実のフッド撃沈を彷彿とさせる滑り出しです。続く、第二・第三斉射では、重巡ノフォークと軽巡ガラティアを中破(ステップロス)に追い込みます。中距離に入る前に、すでに敵巡洋艦隊は戦力半減に。

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それでも、船団を守るために、残存艦艇が全力で突進してきます。射程ぎりぎりから砲門を開き、ビスマルクに命中弾を出しますが、厚い装甲に阻まれ、被害はわずか。対するビスマルクの砲撃は正確を極め(命中判定+1drm)、5ラウンドまでに全艦が被弾して半壊。第10ラウンド終了時に、5ヒットの打撃と引き替えに、巡洋艦隊は壊滅しました。護衛のいなくなった船団も大西洋の藻くずとなり、ビスマルクが圧倒的な破壊力で通商破壊に成功しました(敵艦の撃滅24VP+船団撃沈15VP)。

このままでは引き下がれないRNは、艦載機による航空攻撃をかけます。本国艦艇の空母が、護衛なしの分離で(後で判明!)高速南下していました。ビクトリアスを飛び立った複葉雷撃機ソードフィッシュが、ビスマルクを攻撃し、見事、魚雷1発を命中させます(2ヒット)。ビスマルクの速力は26ノットに低下しますが、幸いに移動力には影響しません(3移動力のまま)。

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なんとか、ビスマルクの足を止めようと、RNは執拗な捜索を繰り返しますが、ダミーの乱用と夜間によって、捕捉できず。が、ビスマルクも、このまま、航空攻撃を受けると危険なので、南下をあきらめて、最寄りのフェロール港を目指します。幸い、H部隊にも見つかることなく、ビスケー湾近くまで到着します。

一方、敵がビスマルクに気を取られている隙に、「本命」の高速艦プリンツ・オイゲンが、船団航路に忍び寄ります。第15ターン、アゾレス諸島近海を航行中の3つの船団を発見したオイゲンは、そのうちの一つに攻撃をかけます。敵は2隻の軽巡に護衛された輸送船でした。戦力的にはいい勝負でしたが、ドイツ艦の個艦性能の高さ(装甲厚と射撃修整)を信じて、2回目の水上戦闘に突入します。これがほぼ想定通りの戦闘となり、オイゲンは、4ヒットを受けるものの、2隻の軽巡を撃沈し、船団を壊滅させました(敵艦の撃滅8VP+船団撃沈10VP)。

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移動力を1つおとしたものの(3移動力)、ダメコンをしながらこのまま、南端からの突破を狙うオイゲンに、RNの鉄槌が振り落とされます。またも、ソードフィッシュ!ビスマルクに逃げられた空母ビクトリアスが、ちょうどこの海域で待機していました(後から聞いたら、こちらをビスマルクだと思っていたよう)。怒りの雷撃は、見事、オイゲンに突き刺さり、高速巡洋艦はステップロス!次ターンに捕捉されることは、ほぼ確実になりました。

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が、ここでビスマルクがフェロール港に逃げ込み、ゲーム終了。VP計算をしたところ、イギリス軍が残存船団により33VP、ドイツ軍がRN撃滅と通商破壊で57VPで、高海艦隊が勝利しました。感想戦では、ビスマルクの理不尽な破壊力とともに、フェロール港に逃げ込んだ同艦のその後が話題に。

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「こうなったら、完全に港の海上封鎖だな」とkawaさん。「でも、(一応、中立国の)スペインへの空襲はするかな?!」とmitsu。しばし、考えた後で「(ダカールであれだけのことをした)RNなら、やるでしょう!」と断言していました。このゲームでは規定はありませんが、「戦艦ビスマルク」(AH)では、フェロール港への空襲もできるそうです。ただし、その場合は、1/6でスペインが枢軸軍側で宣戦布告する可能性があるとか?!

ともあれ、数時間で決着のつく「SINK THE BISMARCK!」ですので、次はRNもやってみたいものです。その場合は、原版のマップとCMJ版のユニットのハイブリッドで・・・(CMJ版は、マップが読みとりづらいCG地形と、不必要なチャート掲載でフルサイズ。対して、ユニットは、美しい線画のダブルサイズでかなり秀逸)。インストも引く受けますので、あなたもライン演習に挑戦してみませんか?

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イメージは、「SINK THE BISMARCK!」原版のマップ。CMJ版では、航路がごく一部、変更になっています。また、離脱ルールでも、CMJ版では、巡洋艦と駆逐艦に制限がかけられているのが、特徴(11.13)。イギリス軍の追尾を制限する改変ですが、史実であった射程外からのレーダー追尾が再現できない難点があります。プレイの前に、確認しておくとおいでしょう(個人的には、11.13は適用しないことが多いです)。

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今回は、顔合わせのなかった太平洋の巨大戦艦3隻の食玩。奥からビスマルク、ロドネイ、キングジョージX世。そういえば「戦艦の戦い」(CMJ別冊)に「ビスマルクの最後」というシナリオがありますね〜。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
これ持ってるんですよねえ・・・。確か日本機動部隊のバリアントとセットだったので、まとめて買っちゃったんです(同様の理由でロンメルアットガザラも持ってます)。それにしてもmitsuさんって、ダミーカウンター使うゲームがお得意のようですね。
takoba39714
2008/02/11 23:24
>それにしてもmitsuさんって、ダミーカウンター使うゲームがお得意のようですね。

ダミーが得意というのは、一歩、間違えると、「人が悪い」?!(笑い)普段が「誠実さ」が大切な対人関係の商売なので、ゲームの世界で「悪役」になってみたい願望は、決して・・・・あります!(大笑い)

今まで、一番うれしかったのは、「第8軍」(CMJのダブル・ブラインド)で、対戦車スタックの待ち伏せが決まったときかな〜。88のクロスファイアは、いや〜、楽しかったなあ。
アンブッシュが好きなmitsu
2008/02/13 22:59
ビスマルクに巡洋艦5隻を踏み潰されたのは、
「ヴィクトリー・アット・シー」じゃないから仕方ないとしても
プリンツ・オイゲンにサウサンプトン級軽巡2隻が撃ち負けるとは
思わなかったなあ。
史実のバレンツ海海戦とは結果が随分違ったけど、
2年足らずでこうも変わるものなのか。

こうしてみると、PQ17船団で直衛の巡洋艦隊を離脱させたのは
犠牲を少なくする(巡洋艦だけでも救う)という意味では
正しい決断だったのかもしれいない。
kawa
2008/02/18 22:02
ドイツ海軍も、イタリア海軍も、ハードだけだったら、十分に行けるんですよね〜。にもかかわらず、史実ではなんもせんうちに、壊滅的な惨敗・・・いずれも使い人次第ということなんでしょうね。

VASにしろ、「呪われた海」(T誌付録)にしろ、「地中海キャンペーン」(HJ)にしろ、枢軸海軍の縛りがないので史実以上にブラッディなんでしょう。

昔なら、この「自由さ」が楽しかったのですが、最近はコマンド・コントロールに「大人」を感じます。「ペデスタル作戦1942」で、イタリア海軍がいいところなく逃げ帰ると「これぞ、イタリア軍!」とうれしくなってしまいます。
mitsu
2008/02/19 21:45

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